
「広瀬川 流れる岸辺 想い出は帰らず
早瀬躍る光に 揺れていた君の瞳」
35年という歳月を遡ると、学生時代だ。向山を宿にしていた3・4年生の時分、毎日のように広瀬川にかかる「愛宕橋」を通う。
特に春、その彩りと音が思い出される。
橋からの川上には岸辺に繁茂する柳の群れ、雪解け頃に芽も膨らみ、やがて淡い緑の芽吹きを迎える。
川下の中洲には鳥の群、橋を渡りきると今は耳の奥にしか聞こえない、路面電車の過ぎてゆく音。
とある春の日、とりとめも無く歩きつづけて、やはり辿り着くのは「中の瀬橋」の河川敷。
というのも広瀬川畔で一番好きなのだ。
辺に腰を下ろす。広瀬川の市街流域の真っ只中といえようか、にもかかわらずこの心の鎮けさは何故だろう?街のビル群を隠すように繁茂する草木、川面を凝視すれば群れる小魚たちの姿を確認。
右方向に目をやれば蔦のからむ大橋、後方には誰一人としていない広い球技場。
寝転がれば霞の空。
「たなばたの 飾りは揺れて 想い出は帰らず
夜空輝く星に 願いをこめた君のささやき」
待チ合ワセノ場所ニ、人混ミヲ掻キ分ケルヨウニ走ッテキタ君ハ、浴衣姿ダッタ。
少シ恥ズカシゲニ、少シ誇ラシゲニ・・・。僕ハトイエバ、イツモノ・・・。浴衣姿ノ君ハイツモヨリ綺麗ニ思エタ。全テガ和紙デ作ラレテイル仙台ノ「七夕飾り」、全テヲ思イ出ニトドメヨウト、見上ゲル二人ノ頬ヲ和紙ガ優シク、飽クマデモ優シク撫デテユク。
「青葉通り 薫る葉緑 想い出は帰らず
木かげこぼれる灯に 濡れていた君の頬」
市民に大事にされてきている「欅」。
小枝をたくさん広げ、陽射しを遮るほどの葉は「緑のアーケード」さながら。
萌黄色の初夏、やがて日に日に緑深まり、真夏には木蔭を作る。紅葉から枯葉へと確かな季節の移ろいを識り、冷たい北風に落ち葉が舞う。
35年前、人口50万人だった仙台。
今や100万都市、それだけに街の様相も当然変わった。
路面電車は無くなって、今は地下鉄が走る。
でも広瀬川の流れも、七夕飾りの和紙の伝統も、欅の街路樹の緑も・・・美しい仙台と、僕の好きな仙台は昔も今も変わっていない。
さとう宗幸会長コラム : http://www.sendai-cafe.com/modules/doc/sato-column.html
さとう宗幸会長インタビュー1 : http://www.sendai-cafe.com/modules/doc/sato1.html
さとう宗幸会長インタビュー2 : http://www.sendai-cafe.com/modules/doc/sato2.html
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